秋から接種が予定されるレプリコン(自己増殖型)ワクチン接種の中止を求めて23日、「mRNAワクチン中止を求める国民連合(国民連合)」(代表・後藤均医師)が記者会見を開き、村上康文・東京理科大学名誉教授や池田利恵・日野市議会議員ら有識者4人が同ワクチンを含むm-RNAワクチンの危険性をその機序や症例、人口動態、薬害の歴史などから説明した。

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記者会見に臨む(左から・敬称略)我那覇、村上、佐野、加藤、池田(以下、2004.8.23外国人特派員協会で筆者撮影)

 レプリコンワクチン接種の差し止めを求める訴訟の準備状況や、同ワクチン製造会社への公開質問状の内容、映画監督のGOD(ゴッド)氏が取り組む同ワクチンを主題にした映画制作についての報告の後、村上氏は「明らかにハイリスクで有害で有効性のないものを打つのは、やめるべき。その認識を多くの研究者が共有して、なるべく早くやめさせたい」と訴えた。

 「国民連合」はレプリコン型を含むm-RNAワクチン全般の即時中止を求めるため、4月23日に発足した非営利団体。第一線の研究者や医師、言論人15人を代表賛同者とし、約6万6000人の賛同者を持つ。6月30日に仙台市内で決起集会、7月27日に東京・市ヶ谷を拠点に全国同時多発アクションのイベントを開催している。

 記者会見は、国際ジャーナリストの我那覇真子氏の司会で進行した。


呼気や汗で非接種者に感染、新型ウイルス製造機にも?

 今回の会見の目的の一つは、この秋から接種が開始される新しい自己増殖型のm-RNAワクチン、レプリコンワクチンの安全性についての科学的見解を知ってもらうこと。初めに、同会副代表で分子生物学者の村上氏が動画を流し、同ワクチンの機序を説明した。

 レプリコンワクチンの懸念リスクは4つ。すなわち、①スパイクタンパクに晒(さら)される②変異が起きやすい③非接種者がワクチンに感染④ウイルスに進化――である。

 ③はシェディングと呼ばれ、従来のm-RNAワクチンでも起きている。レプリコン型はそれ以上にスパイクタンパクを量産する設計になっており、一層伝播(でんぱ)が懸念される。その機序は次のように説明される。

 体内で生産されたスパイクタンパクがエクソソーム(細胞外小胞)に取り込まれ、それが接種者の呼気や汗から放出される。さらに接種者から放出されたエクソソームに包まれたワクチン成分が、レプリコンワクチンを接種していない人に曝露し、ワクチン後遺症のような症状になる可能性だ。

 ④について、レプリコンワクチンは変異率・組み換え率が高く、打った人が新型ウイルス製造機になりかねない。

 続いて、4人が発表した。


レプリコンで日本人が排除? 「リスク大のワクチンはナンセンス」[村上氏]

 村上氏は、新型コロナ感染社が当初少なかった日本がm-RNAワクチンを打ち始めてから感染者が増えた実態をグラフで提示。「接種さえしなければ、感染拡大せずに終わった可能性が高い」と分析した。

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村上康文名誉教授

 その機序として、同ワクチン接種後210日後に免疫抑制型の抗体IgG4が誘導され、ブースター接種後に顕著に増加することを挙げた。「これによってスーパースプレッダー(感染を強力に広げる人)になった人がいる」と指摘した。

 新型コロナワクチンの予防接種健康被害救済制度による死亡認定は8月5日までに762件。これに対し、インフルエンザの死亡認定は1977年から25件。「普通なら、今すぐやめるべき案件。医薬品なら5人、10人亡くなれば販売中止する」と首をかしげた。

 その原因として、厚労省の医薬品行政における機能不全を挙げる。「厚労省から依頼され、ワクチンにどういうリスクがあるかを話している専門家が、全く認識していない。政治家も情報の入手先がほぼ厚労省」と苦言を呈す。

 レプリコン型のワクチンは他の人へより伝播しやすいことを説明。細胞から放出された粒子表面にはスパイクが並び、様態はウイルスとほぼ一緒。オミクロン型は旧タイプより、より強力にくっつき、感染力が上がっているという。

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新型コロナウイルス(左)と、接種者から放出される粒子(右)は酷似

 レプリコンワクチンを導入した場合の最悪のシナリオとして、①海外での日本人の排除②インバウンドの減少③日本製品のボイコット――を挙げる。

 「(新型コロナは)どうせ大した病気でないものに、大きなリスクを持ったレプリコンワクチンを打つのはナンセンス。サイエンスから考えるとあり得ない。この接種は絶対やめるべき」と結論づけた。


水痘や紅斑だけでなく、神経症状や心臓に痛みも[佐野氏]

 副代表で高知大学特任教授の佐野栄紀(さの・しげとし)氏は、皮膚科医の臨床現場から見たワクチン被害の実例を紹介した。「この3年間、奇妙な病気が増えてきたことを実感する。週に150~200人の患者を診ているが、さまざまな皮膚病が起きてきたことが肌感覚で分かる」と切り出した。

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佐野栄紀特任教授

 m-RNAワクチンによる皮膚疾患を4つに分類した。すなわち①注射した箇所の局所的な皮膚障害②スパイク皮膚病③今まで持っていた皮膚疾患の悪化④免疫低下障害――である。②には、じんましんや丘疹小水疱(きゅうしんしょうすいほう)、紫斑、白斑などがあり、最も多い。④はヘルペスや発がんなど。

 自身が診た患者の症例を写真とともに示した。

・70代の男性は、ファイザー社製の2回目接種の翌日から疼痛(とうつ・ずきずき痛むこと)が起こり、赤くなり、壊死(えし)に至った。

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局所で高濃度のスパイクタンパクが合成され、障害を起こしたものと思われる

・70代の女性は、接種直後よい白斑が出現。メラノサイトという色素を作る細胞が損傷。一種の自己免疫疾患。

・成人水痘(すいとう・みずぼうそうのこと)が3カ月続いた。打った跡に水疱ができ、壊死し、潰瘍(かいよう)を繰り返す。「普通は10日~2週間。よほど免疫が下がっているのだろう」と佐野氏。

・難治性の紅斑が100日間も続く。すごくかゆいものが全身に広がった。赤くかゆい所にスパイクタンパクが残っているのが分かった。

・小丘疹(しょうきゅうしん・皮膚表面が小さく盛り上がった状態)が四肢に多発し、2年間続く。神経症状や頭痛も。汗疹(あせも)の表皮内汗管や角質貯留汗にスパイクタンパクがたまっているのが確認できた。

 特徴として、①m-RNAワクチンによってさまざまな皮膚障害が起こる②今までにない難治な障害も多い③接種後長期間続く皮膚障害部位からスパイクタンパクが検出された④皮膚のみならず多くの臓器で長期にスパイクタンパクが蓄積し、それが疾患の原因となり得ることを示唆している――と結論づけた。

 特に④を強調し、「最後の患者は、頭痛や全身倦怠(けんたい)感など、神経症状があり、心臓も時々痛い」と明かし、皮膚症状が体の内部で起きている疾患の一つの表れである可能性を指摘した。


子宮頸がんワクチンは2人死亡で中止、新コロワクは762人死亡も続行[池田氏]

 副代表で全国有志議員の会代表の池田氏は、薬害の歴史と政治について語った。まず、09年5月に世界保健機関(WHO)がパンデミックの定義から「病気の重篤度」を削除したことを問題視。同年秋から流行した新型インフルエンザに対し、市議会でワクチンの準備を促す質問をしていたが年明け、輸入ワクチン1126億円分を廃棄したとの報に接し、考えを改めるきっかけになった体験を振り返った。

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池田利恵市議

 欧州会議保健衛生委員会で、感染症を専門とするドイツ人医師ボーダルク委員長が「虚偽のパンデミック」との同義を提起したことを知る。「こんな厳戒態勢を取る正当な理由がない。WHO内のあるグループは製薬会社と癒着している」と不透明な関係を指摘していた。

 池田氏は13年3月に子宮頸がんワクチン被害者連絡会を設立。同年4月1日からHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの積極勧奨が始まるも、2カ月余りで中止に至る。被害者の実例を映像で見せ、「これを今、男子にも打たせようとしている。世界中で裁判中なのに、どう考えても恐ろしい」と批判した。

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HPVワクチンの副作用で足のけいれんが止まらない少女

 HPVワクチンの勧奨接種が女子2人の死亡で止まったのに対し、予防接種健康被害救済制度でも762人の死亡が認められている新型コロナワクチン接種が続けられている現状を嘆く。さらに、米国で日本人向けの治験が行われている実態を紹介。応募者に1万ドル(約150万円)が支払われる。

 巨大製薬会社バイエルの責任者、ステファン・オーエルリッチが「m-RNAワクチンはワクチンではなく、細胞の遺伝子治療だ。2年前であれば95%の人が拒否したであろうが、今のパンデミックにおいて多くの人に受け入れられている」との発言を引用し、「こうしたたくさんの疑義が掛かっているものを国民にこれ以上打たせるなんて、許せない」と怒りを露わにした。


壊死で左腕を切断、30代で白血病、「コロナにかかった方がまし」[加藤氏]

 代表賛同者で社会福祉法人仁生社常任理事の加藤正二郎医師が新型コロナワクチンと超過死亡との関係を分析し、臨床例を紹介した。

 武見敬三厚労相は6月25日の記者会見で、「高齢化による増加が大きな原因の一つ」であり、「さらに詳細に解明する必要はこれ以上ないだろう」と答弁しているが、これに対する小島勢二・名古屋大学名誉教授の『アゴラ』掲載の反論を取り上げた。

 これによれば、高齢化の影響を廃すために「年齢調整別死亡率」を使うと、ワクチン接種を開始した21年から予測死亡数を上回る超過死亡が観察される。コロナが始まった20~23年の年齢調整超過死亡の総数は約23万人だが、欧州連合(EU)や経済協力開発機構(OECD)に倣って粗死亡数に基づく超過死亡を見ると、総数は60万人を超えている。

 さらに、年代別の粗死亡率の推移を見ると、超過死亡率は高齢者より10~50代の方が高いことが分かる。しかも、コロナ肺炎死者の平均年齢は約86歳で、寿命に近い。

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2020~23年における年代別超過死亡率(宜保美紀医師作成)

 自身が診たm-RNAワクチンの後遺症として、70代男性の例を挙げた。3回接種して3週間後に来院。2日前に上肢が激烈に痛み、冷たくなったと訴える。すでに壊死していて、左腕を肩から切断せざるを得なかった。血管外科の医師2人を含め、90年を超える臨床経験で初めての例だった。

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左腕が壊死し、切断手術を要した

 同様に、上肢急性動脈閉塞を1例(60代、3回接種)、静脈の閉塞を1例(80代、4回接種)経験。共に救命はかなわなかった。「このような症例は、m-RNAワクチン開始以前にはなかった」と打ち明ける。

 ターボがんや脳腫瘍の再発症例を紹介した後、自身の経営する病院内のコロナ肺炎死亡を報告。30人規模のクラスターが発生し、4人が亡くなった。皆、高齢者またはがん・難病の末期だった。接種状況は4回、4回、6回、7回だった。

 「全く死亡を抑制して見えない。コロナワクチンを複数回打たれた方が、白血病やリンパ腫、骨髄腫、骨髄形成症候群などの難病にかかっているように見える。30代の女性が4回打って白血病で入院している例も。コロナにかかってほぼ寿命で亡くなった方が、絶対まし。m-RNAの即時中止を求める」と結んだ。


公開質問状に無回答、差止請求訴訟は3者を被告へ

 レプリコンワクチンに関する公開質問状と、同ワクチンの差止を求める訴訟の現状について、村上氏が説明した。

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公開質問と差止請求訴訟の考え方

 質問状は、同ワクチンの製造を予定するMeiji Seikaファルマ(東京都中央区)とVLPセラピューティクス・ジャパン(同港区)の両社に対し、それぞれ7月26日、7月29日に送付した。

 質問項目は8つ。すなわち①細胞内自己増殖及び標的細胞について(例:自己増殖を止める機序はあるか)②ワクチンに用いる抗原について(例:全長スパイクタンパク質を用いた理由[Meiji Seikaファルマ]③個体間伝播の可能性について(例:なぜ御社は個体間伝播の可能性とそのリスクについて周知徹底しないのか)④IgG4の誘導について(例:どのような研究をして、接種しても問題ないと判断したのか)⑤治験について(例:体内での異変や遺伝的影響について、何をもって「安全である」としたのか)⑥コロナウイルス感染症に対するレプリコンワクチンの必要性(例:現在行っている治験のみで、同ワクチンを実用化する理由)⑦国際問題に発展する懸念について(例:海外から入国を拒否される事態等に発展した場合、どのような責任を取るつもりか)⑧レプリコンワクチンに対する考えについて(人体にとって安全と言い難いワクチンを製品化して人体に接種することをどう考えているか)。

 回答期限を8月1日に定めていたが、これまでに回答はないという。村上氏は、「メーカーが説明責任を果たしていない」などと批判した。

 訴訟については、弁護士と協議中とのこと。被告としては、(1)m-RNAワクチンを開発している製薬会社、(2)承認を行う独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と厚労省、(3)これら機関に諮問する専門委員の学者――を検討している。


映画はMeiji Seika前でロケ、ベネチア映画祭で上映へ

 弁護士探しは難航した。「30人ほどに話し、断られた」。法律事務所の代表は大抵接種していることが背景にあると分析する。一方で、「やりたい」と名乗りを上げた弁護士もいたという。

 映画監督のGOD(ゴッド)氏から、レプリコンワクチンを主題にした映画『GODドクターREBORN(リボーン)』の紹介があった。11日に撮影を開始したばかりの新作で、12日には「ハイジ製薬本社前」の抗議活動場面を撮るため、Meiji Seikaファルマ前でロケをした。28日には世界三大映画祭の1つ、ベネチア国際映画祭で予告編が特別上映されるという。

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(奥左から・敬称略)GOD、増山、(前左端)SIZUKU(しずく)ら出演俳優

 コーディネーター・通訳として同行する一般社団法人ユーラシア映画祭代表理事の増山麗奈(ますやま・れな)氏と登壇したGOD氏は、「イタリアのサンマルコ広場でも上映し、その後はハリウッドへ持って行きたい」と展望。制作動機について、「どうして日本だけが危険なワクチンを打たされるのか。海外で騒げば、日本政府がビビると思った」と語った。


「WHOより厚労省の方が問題」「現実とどっちが映画か分からない」

 発表と報告の後、質疑応答が設けられた。

 厚労省への訴訟について、「安全性のよく分からないものをなぜ、これほど急ぐのか。法令違反は問えないか」と質問があった。村上氏は弁護士と相談しながらこれまでの訴訟事例を調べているとした上で、次のように答えた。

 「正常な社会なら、その認識が成立するが、異常な社会になっている。4、5人死んだら薬は売れなくなるが、800人近く亡くなっていても打っている。多数派の学識経験者が『問題ない』と言っているから。厚労省の方針決定に影響を与えている学者も標的にしたい」

 「WHOから命をまもる国民運動」などとの類似団体との連携の意向を尋ねられると、村上氏はこうした団体役員と懇意にしているとして「オファーがあれば、われわれから断ることはない」と答えるとともに、「WHOより日本の厚労省の方が問題」と提起した。「WHOの方は3回目打ってもしょうがないと早くに言っていたが、日本では6回、7回までいった」と指摘。レプリコン型を含むm-RNAワクチンをいかに止めるかが最重要との考えを示した。

 GOD氏の映画について「ドキュメンタリーなのか、エンタメに特化するのか」と質問があった。GOD氏は「ドキュメンタリーは見ない人が多い。商業映画の中で、言いたいことを言っていきたい」と応じる。すると、佐野氏が「2020年から、こっちが架空の世界。どっちが映画か分からない」と皮肉った。

 最後に登壇者が一言ずつ述べた。この中で村上氏は、「明らかにハイリスクで有害で有効性のないものを打つのは、やめるべき。その認識を多くの研究者が共有して、なるべく早くやめさせたい」と強調した。


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👆記者会見の全編動画(我那覇真子rumble公式チャンネルより)