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Assessment of Myocardial 18F-FDG Uptake at PET/CT in Asymptomatic SARS-CoV-2-vaccinated and Nonvaccinated Patients
無症候性SARS-CoV-2ワクチン接種患者と非接種患者におけるPET/CTでの心筋18F-FDG取り込みの評価
Abstract
Background
Patients who developed myocarditis following SARS-CoV-2 vaccination show abnormalities on cardiac MRI. However, whether myocardial changes occur in asymptomatic individuals following vaccination is not well established.
SARS-CoV-2ワクチン接種後に心筋炎を発症した患者は、心臓MRIで異常を示した。しかし、ワクチン接種後に無症状の人に心筋の変化が起こるかどうかは、まだ十分に確立されていない。
Purpose
To assess myocardial 18Fluorine-fluorodeoxyglucose (18F-FDG) uptake on PET/CT in asymptomatic SARS-CoV-2 vaccinated patients compared to nonvaccinated patients.
無症状のSARS-CoV-2ワクチン接種患者と非接種患者のPET/CTにおける心筋18Fluorine-fluorodeoxyglucose(18F-FDG)取り込みを評価すること。
Materials and Methods
This retrospective study included patients who underwent 18F-FDG PET/CT for indications unrelated to myocarditis during the period before (11/1/2020 – 2/16/2021) and after (2/17/20121 – 3/31/2022) SARS-CoV-2 vaccines were available.
このレトロスペクティブ研究は、SARS-CoV-2ワクチンが使用可能になる前(2020/11/1~2021/2/16)と後(21/2/17~2022/3/31)の期間に、心筋炎とは無関係の適応で18F-FDG PET/CTを受けた患者を対象とした。
Myocardial and axillary FDG uptake were quantitatively assessed using maximum standardized uptake value (SUVmax). SUVmax values in all patients and in patients stratified by sex (male/female), age (<40, 41-60, >60 years), and time interval between vaccination and PET/CT were compared using Mann-Whitney U test or Kruskal-Wallis test with post ad -hoc Dwass, Steel, Critchlow-Fligner multiple comparison analysis.
心筋および腋窩のFDG取り込みは、最大標準化取り込み値(SUVmax)を用いて定量的に評価した。全患者、および性別(男性/女性)、年齢(40歳未満、41~60歳、60歳以上)、ワクチン接種からPET/CTまでの時間間隔により層別化した患者におけるSUVmax値を、Mann-Whitney U検定またはKruskal-Wallis検定(アドホックDwass、Steel、Critchlow-Fligner多重比較分析後)を用いて比較した。
Results
The study included 303 nonvaccinated patients (mean age, 52.9 years ± 14.9 [SD]; 157 females) and 700 vaccinated patients (mean age, 56.8 years ± 13.7 [SD]; 344 females). Vaccinated patients had overall higher myocardial FDG uptake compared to nonvaccinated patients (median SUVmax, 4.8 [IQR: 3.0-8.5] vs median SUVmax, 3.3 [IQR: 2.5-6.2]; P < .0001). Myocardial SUVmax was higher in vaccinated patients regardless of sex (median range, 4.7-4.9 [IQR: 2.9-8.6]) or patient age (median range, 4.7-5.6 [IQR: 2.9-8.6]) compared to corresponding nonvaccinated groups (sex median range, 3.2-3.9 [IQR: 2.4-7.2]; age median range, 3.3-3.3 [IQR: 2.3-6.1]; P range, <.001-.015). Furthermore, increased myocardial FDG uptake was observed in patients imaged 1-30, 31-60, 61-120, and 121-180 days after their second vaccination (median SUVmax range, 4.6-5.1 [IQR: 2.9-8.6]) and increased ipsilateral axillary uptake was observed in patients imaged 1-30, 31-60, 61-120 days after their 2nd vaccination (median SUVmax range, 1.5-2.0 [IQR: 1.2-3.4]) compared to the nonvaccinated patients (P range, <.001-<.001).
非ワクチン接種患者303例(平均年齢52.9歳±14.9[SD]、女性157例)とワクチン接種患者700例(平均年齢56.8歳±13.7[SD]、女性344例)を対象とした。
ワクチン接種患者は非接種患者と比較して心筋FDG取り込みが全体的に高かった(SUVmax中央値、4.8 [IQR:3.0-8.5]対SUVmax中央値、3.3 [IQR:2.5-6.2]、P < 0.0001)。
心筋SUVmaxは、性別(中央値、4.7-4.9[IQR:2.9-8.6])や患者の年齢(中央値、4.7-5.6[IQR:2.9-8. 6])と比較した(性別中央値:3.2-3.9[IQR:2.4-7.2];年齢中央値:3.3-3.3[IQR:2.3-6.1];P範囲:<0.001-0.015)。
さらに、2回目のワクチン接種から1~30日後、31~60日後、61~120日後、および121~180日後に撮像した患者で心筋FDG取り込みの増加が観察され(SUVmax中央値範囲、4.6~5.1[IQR:2.9~8. 6])、2回目のワクチン接種から1-30日後、31-60日後、61-120日後(SUVmax中央値、1.5-2.0 [IQR:1.2-3.4])に撮像された患者では、非ワクチン接種患者と比較して同側腋窩の取り込み増加が観察された(P範囲、<.001-<.001)。
Conclusion
Compared to nonvaccinated patients, asymptomatic patients who received their 2nd vaccination 1-180 days prior to imaging showed increased myocardial FDG uptake on PET/CT.
非ワクチン接種患者と比較して、2回目のワクチン接種を受けた無症状の患者は、撮像の1~180日前にPET/CTで心筋FDGの取り込みが増加していた。
FDG = 心筋18Fluorine-fluorodeoxyglucose(18F-FDG)
もう少し調べてみた
がん診療におけるFDG-PET/CT検査の有用性 甲南医療センター
https://kohnan.or.jp/kohnan/department/center/pet/fdg-pet-ct
がん細胞は正常の細胞よりも分裂が盛んに行われるため、ブドウ糖をたくさん必要とします。FDG-PET/CT検査(以下PET/CT)で用いる薬剤(18F-フルオロデオキシグルコース(18F-FDG、以下FDG))はブドウ糖に似た性質を持っているので、ブドウ糖と同じようにがんにたくさん集まります。これによりがんがどこにあるのか、あるいはがんの広がり具合・転移している場所などがわかり、CTやMRIなどの診断結果と合わせれば、治療方法や治療範囲を決めるのに役に立ちます。
PET/CTは、全身の撮影を一度に行えることから、予想外の位置に転移したがんも見つけることができます。また、がんを治療した後の効果や再発の有無の判定にも役立ちます。PET/CTをすることで治療方針が変更されたという報告が多数あります。
https://www.nmp.co.jp/member/fdg2/outline/index.html
PET検査で、今最も良く使われているのは18F-FDGです。
18F-FDG(フルデオキシグルコース)はグルコースの2位の水酸基を陽電子(Positron)放出核種であるフッ素18で置換した誘導体です。
18F-FDGはグルコースと同様にグルコーストランスポーターを介して細胞内に取り込まれ、ヘキソキナーゼによりリン酸化を受けるが、グルコースと 異なりその後の代謝を受けないことから、リン酸化体として細胞内に滞留します。 腫瘍細胞・心筋虚血領域細胞及びてんかん原生領域の細胞では正常細胞と比較して、グルコースの取り込みが変化していることが知られています。 |
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従って、18F-FDGを用いて、体内のグルコース代謝異常を非侵襲的に検出すれば、悪性腫瘍、心疾患またはてんかんの診断が可能となります。 例えば、悪性腫瘍では増殖が盛んに行われるために正常細胞よりも3~8倍のグルコースを取り込むとされています。従って、18F-FDGは正常細胞よりもたくさん集積することになります。 PETカメラを用いて、18F-FDGの分布を撮影し解析すると、悪性腫瘍の位置・大きさ及び活動の状況を診断することが可能とされています。 |
まとめ
簡単に言うと、ダメージを受けた心筋はFDGの取り込みが増える。
ワクチンを打った人は無症候に見えても心臓のFDGが増えている。これは症状は出ていないが、心臓に炎症が起こり、その結果、心臓がワクチンによって痛めつけられてしまった、ということを意味する。
時間が経つとこのFDGの増加も消える。炎症も消える。
しかし、それで心筋細胞が元に戻ったわけではない。
心筋細胞は再生はしない。
炎症を起こして繊維化して、そのままである。
その程度によっては、すぐに心臓が止まる人もいるし
心筋の損傷の程度が少なければ、そのあとも生きることはもちろん可能だが、心臓の機能はダウンしているので
長く走るとすぐにバクバクしていくるとか、スタミナがなくなるとかいう症状が出てくる。
そう言えば・・・
小学生だが、バスケットの上手な人がいて、チームの首力選手。ワクチンを打った後、スタミナが続かない。
すぐに息が切れるという。1ハーフを走りきれなくなった、と。
チームのレギュラーには留まれたが、主力は降りることになった、と。
これも考えると寂しい話。
小学生ならば伸び盛り。
どんどんスタミナがついてくる。
1ハーフどころか、1試合やってもまだまだスタミナが余ってくる時期だ。
たぶん、心筋に一部繊維化が起こっているのだろう。
偉大な研究であるが、厳しい結果である。
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