2024年9月18日水曜日

エビデンスとは何か 第2信

 エビデンスとは何か、ということを最近よく考えている。
 私としてはーーー
 エビデンスとは絶対的な真実。 しかし、あくまでも我々が生きているその時点での真実。と、考えていた。
 
拙ブログ エビデンスとは何か
 https://thirdstreet3.blogspot.com/2022/08/blog-post_17.html

 最近はもっとこれを煮詰めてみた。

 結局は政府、あるいは、大きな研究機関が提唱することが、エビデンスではないか、と考えるようになった。
 逆に政府や公的機関が認めないものはエビデンスにはなり得ない。
 政府が認めなくても正しいことは民衆の間に夜の潮騒の様に広がって行く。
 しかしこれはその時代のエビデンスにはなり得ない。
 これこそが冷徹な事実である。
 それがエビデンスというものなのである。

 故にエビデンスの認定は政治闘争になることも多い。
 
 例えば、地動説はどうだったか。
 地動説を唱えた多くの天文学者が当時火刑に処された。
 ガリレオも教会の審問に呼ばれた。
 ガリレオは審問で自説を撤回した。
 部屋から出る時にこっそり「それでも地球は回っている」と呟いた話は有名である。

 さて地動説がどの様に世間で認められたか。
 エビデンスとなったのか。
 (この手の研究は世界中で行われていた。)

 この頃ルネサンスが起こり、教会に代わり王政が台頭して来た。
 教会を打倒するために地動説が使われたのである。 
 そして王府が認めたのでエビデンスとなったのである。
 逆に言えばそのような大きい所が認めないと地動説もエビデンスたり得なかったであろう。

 この手の研究は世界各国で行われており、現代から見ても舌を巻くような優れた研究が行われていた。
 しかしこのような研究がエビデンスとなり得ることはなかった。
 政府が認めなかったからである。
 
 現代でも結局そうである。
 いくら民間で多くの人が正しいと考えていても、結局、大きなところ、政府が認めなければエビデンスとはなり得ない。
 
 エビデンスがある、とか言って得得とお話になる方がいるが、この様な方は今一度エビデンスとは何か考えてみたらよろしいかと思う。

2024年9月3日火曜日

マイナカードの情報漏洩・・・皆は怖くはないのですか

 ニセコの診療所に行ってきた人が言っていましたが
ニセコの外国人は診療情報に敏感な人が多く
電子カルテに書こうとすると、すごく警戒する人が多い様です。
その様な流れはすぐに日本全土に広がると思います
おそらくあと半年、1年と思います。

 駆け出しの頃(30年前)
 外来にきた20代前半の女性
 妙に美人で艶かしい人。
 問診票に、20歳で、子宮外妊娠 とありました。

 当時は紙のカルテなので、そこで終わりです。
 守秘義務があるのでもちろん外には漏らさない。
 というか、外来が終わった頃には名前も覚えていない。

 でも、マイナカードだと、これがいつまでも出てくるのですよ。
 この女性がマイナカードを病院に行ってかざす度に出てくるのですよ。
 今、50代だと思いますが、時代が時代なら、マイナカードをかざすと出てくるのです。
 怖くはないですか。という話ですね。

 国会議員の先生方。俳優さん。超有名人。
 皆が注目している。

 そんな人が病院に行ってマイナカードをかざすと、
過去の手術歴(今のところは)が出てくるのですよ。
全部です。

嫌ではありませんか。

 名前の売れている人も同じです。

 「この人にこんなことがあったんだ」と多くの人に嘆息されてしまう。
 かざされるマイナカードがどんな週刊誌よりも面白い
 そんな時代がもう少しでやってきます。

 良いのですか という話ですね。
 良いのですね コーノさん 自民党さん。

 というか、我々も、もし子宮外妊娠で手術をしたら、
 患者さんから
「卵管の良性腫瘍の手術をしたということにしておいてくれ」
とねじ込まれますね。

 というか、ここまで気の回らない人はヤブ医者ということになるでしょう。

 電子カルテと紙カルテと両方を使い
電子カルテには表向きのこと つまり「卵管の良性腫瘍」
 そして紙カルテには「子宮外妊娠」と書くことになるでしょう。
 そうしないと患者さんの支持を受けられない。

 そのような時代がもう少しできます あと半年、1年ですね。

エビデンスとは何か 第2信

 エビデンスとは何か、ということを最近よく考えている。  私としてはーーー  エビデンスとは絶対的な真実。 しかし、あくまでも我々が生きているその時点での真実。と、考えていた。   拙ブログ エビデンスとは何か   https://thirdstreet3.blogspot.co...