先の記事の続き記事で、子宮頸がんワクチンの危険性について述べよう。
子宮頸がんワクチンを接種すると重篤な後遺症が残存する率は、2000人に一人とか、あるいは、0.007%であるとか述べられている。
これをどう捉えたら良いのだろう、という話。
子宮頸がんワクチンを接種すると重篤な後遺症が残存する率は、2000人に一人とか、あるいは、0.007%であるとか述べられている。
これをどう捉えたら良いのだろう、という話。
あまりにも小さい数字で捉えにくい、という話がある。
このように考えたらいかがであろうか。
子宮頸がんで亡くなるのは0.3%と言われている。
今、日本人の50%が癌にかかり、1/3 つまりおよそ30%が癌で亡くなるのである。
ちょうど、癌で亡くなる人の1%が子宮頸がんが原因で亡くなっている。
興味深い設定をしてみよう。
今、全部の癌を防ぐワクチンが開発されたとしよう。
そのワクチンで重篤な後遺症の残る可能性は子宮頸がんのワクチンの場合の100倍と仮定しみよう。
2000人に一人とすれば、それを100倍すると20人に一人となり、
0.007%とすれば、0.7% つまり、千人に七人となる。
いかがであろうか。
仮にこの全癌を予防すると謳われているワクチン。
これは10代の時に打つとしよう。
と考えると、この後遺症の残る確率。
どう考えるべきだろう。
また、もう一つ。
子宮頸がんワクチンは、これを打ったからといって、絶対に子宮頸がんにかからないというわけでもないそうだ。
現にかかった人もいる。
参考記事:高橋ジェーンさん 子宮頸がん爆沈打ったのに、子宮頸がんになった、と言う話
さて、あくまでも仮にの話であるが、皆様は全癌のワクチンの接種を希望されるであろうか。
参考記事:子宮頸がんの後遺症 微小確率のためにわかりにくい、と平井啓先生は述べているが、ちゃんと分かる方法はあるということだ
微小確率の過大評価 HPVワクチンの副反応はなぜ恐い?(平井啓)
2017.11.27
行動経済学×医療
なぜ私たちの意思決定は不合理なのか?
患者の意思決定や行動変容の支援に困難を感じる医療者は少なくない。
本連載では,問題解決のヒントとして,患者の思考の枠組みを行動経済学の視点から紹介する。
[第4回]微小確率の過大評価 HPVワクチンの副反応はなぜ恐い?
平井 啓(大阪大学大学院人間科学研究科准教授)
「HPVワクチンの副反応が怖い……」
子宮頸がん予防のためのHPVワクチンの接種率は,ワクチン接種に最も望ましい第7学年(中学1年生)において2012年には65.4%でしたが,その後の副反応報道と国の積極的な接種勧奨の一時差し控えを受けて2013年には3.9%になってしまいました1)。
HPVワクチンがどのようにとらえられているかを調べるために,われわれの研究グループでは,接種対象世代(小学校6年生~高校1年生)でHPVワクチン未摂取の娘を持つ母親(n=2060)に対してインターネット調査を行いました2)。現状で接種の意向がある方は12.1%でした。「国による積極的接種勧奨が再開したら」という前提を加えて接種の必要性に関する教育的なメッセージを読んでもらったところ,接種する意向の方は27.3%になりました。この結果から積極的接種勧奨が再開されても70%以上は接種を見送ると考えられます。
理由を探るため,いくつかのメッセージを提示しました。メッセージの1つは,「日本でも,接種を受けた方のうち99.993%の方は,重篤な副反応などなく,健康に暮らしています」でした。メッセージに対する印象をインタビューすると,多くの方が「不安は軽減された」と回答しましたが,「逆に0.007%の人は重篤な副反応が出るのだと不安に感じる」という意見も複数ありました。また,「“ワクチンを受けて将来の心配を減らすこと”よりも,“ワクチンを打つことで何かが生じること”のほうが怖い」「確率は低いと理解したが,以前テレビで見た映像が衝撃的だった」という反応がありました。
起こる確率が低いもののほうが怖い?
この現象は,Kahneman & Tverskyのプロスペクト理論3)に含まれる,「微小確率の過大評価」を使って考えられます。例えば,自動車事故と航空機事故のどちらが怖いか? という質問に対して,多くの人が航空機事故のほうが怖いと答えると思います。しかしデータに基づいて「合理的に」判断すると長距離移動では航空機に乗ったほうが安全であることがわかっています。それでも,普段自動車に乗っているときには,「自分が事故に遭うはずがない」と多くの人が思いますが,航空機に乗っていて大きく揺れた場合には「落ちるんじゃないか!」と不安を感じます(筆者自身も)。このような心理は確率の比較からは説明できません。行動経済学では図のような関数を使ってこの現象を理解します。
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