2023年7月1日土曜日

ワグネルのロシア内乱はお芝居だったのか The nearer the NHK, the farther from Truth

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 ずいぶんと長い解説だが、やはり最初から私が予想した通りお芝居だったのか。
だから結果は変わらない。
つまり国境線は動かない。
日本のマスコミの言うことは最初にまず疑ってかかかると真実が見えてくる。

 教会に近づくと神から遠ざかり
 NHKに近づくと真実から遠ざかる

 The nearer the church, the farther from God.

 


【内乱なのか、見せかけなのか?】
先週の土曜日6月24日に、ロシアの傭兵部隊ワグネルの隊長プリゴジンが、ロシア防衛省に抗議するために、武装した部隊を率いてモスクワに向かっているというので、さまざまな情報が飛び交っていた。
最初は、プリゴジンが出している動画メッセージも、フェイクではないのかと言われたりしていた。ロシアのことについては、西側メディアではありとあるフェイク情報が流されてきたわけなので、これも捏造された動画ではないかと疑うのも無理はない。しかしその後、プリゴジンがワグネルの部隊とともにロシアの街ロストフに現れ、フェイクではないことが判明した。
プリゴジンがロシア防衛大臣のショイグをいつも批判しているのは有名な話で、バフムトが陥落する数日前にも、プリゴジンは武器が足りないと言って、ショイグを罵倒する動画メッセージを出していた。ロシアはすぐにでもキエフを占領することができる戦力があるのに、戦闘をドンバスでの防衛に留めて、西側の武器を消尽させようとするロシア司令部のやり方を、批判している部隊の人たちは少なくない。だから、荒くれ男のプリゴジンが、ショイグを罵倒したりしていても、不思議はないと思う。
しかし、だからといって、戦闘が続いているドンバスを離れて、武装した部隊でモスクワに押しかけるほどのことだとは思いにくい。プリゴジンは、ショイグがロシア空軍にワグネルの拠点を攻撃させようとしていると言っていて、ワグネルの兵士たちもそれを信じて来たらしいのだけれど、そういう事実があるのかどうかが未だにはっきりしていないということは、おそらく真実ではないのだろう。それはただ、ワグネルの兵士たちを納得させるために言っていたことのように思える。
それで、プリゴジンは西側に買収されて、プーチン政権を混乱に陥れるために利用されているのではないかという説も出ていた。実際、反政府組織をでっち上げて、武装させて内乱を起こさせるというのが、アメリカ中央情報局(CIA)の得意なやり方で、2014年のウクライナの政権交代も、そのようにして行われた。反政府グループを送り込み、紛争を組織して、暴力的に政府を乗っ取ってしまい、アメリカの言うなりになる工作員たちを政府に据えるのだ。アメリカの裏政府は、そうやってこれまでも属国のように言うなりになる政府をあちこちに作ってきた。だから、もしプリゴジンを買収してプーチン政権に反乱を起こさせることができるなら、それが一番簡単な方法だと言える。
西側主流メディアは、プリゴジンがプーチン政権に対して反乱を起こしたといって、突然プリゴジンを英雄扱いしていたりもした。それまでは、犯罪者を刑務所から出して戦場でありとある残虐行為をやらせているというようなことを言っていて、金のためには何でもやる極悪非道の悪人みたいに扱っていたのに、急に正義の味方みたいに言い始めた。ウクライナ大統領のゼレンスキーまで、プリゴジンを褒めていたので、ロシアではプリゴジンの評価は急落した。ワグネル部隊を率いて、自ら前線に出てともに戦っているプリゴジンは、ロシアではとても人気があって、ワグネル部隊に志願する人も多い。だけど、敵が喜ぶようなことをしているとなったら、話は別だ。それまでは、プリゴジンとともに防衛大臣のやり方を批判していた人たちも、一斉にプリゴジンを批判し始めた。
プーチン大統領は、24日の朝にライブ配信で、この事態についてスピーチした。これは裏切り行為だから、厳しく処罰されるべきだと言った。仲間割れして互いに戦うなどということが起これば、それこそ敵の思う壺で、ウクライナ軍はワグネルが抜けて防備が薄くなったところを取り返しに来るだろうし、そうなったら、これまで大きな犠牲を払って獲得した成果を無駄にすることになる、と。そして、ワグネルの人たちに、今からでも引き返すようにと呼びかけた。
その時点でロストフにいたプリゴジンは、ロシア政府に交渉する気がないのなら、これからモスクワに向かうと言って、部隊の一部はモスクワへ向かっていった。その近辺で、オイルタンクが燃えているとか、ワグネルが市内で発砲したとか、ロシア軍のヘリコプターがワグネルを攻撃しようとしたとか、空軍の戦闘機をワグネルが撃ち落としたとか、いろいろな情報が断片的にSNSに流されていたけれど、事実なのかどうかははっきりしなかった。しかしそれで、ワグネルがロシア政府に対して反乱を起こすなんてあり得ないと思っていた人たちも、だんだんと本当に反乱が起こっているのだと思い始めていた。
24日は一日中、世界中がどうなることかとロシアからの情報に注目していた。プリゴジンは、ロストフで防衛省の誰かと交渉しているということだったけれど、どこで誰と話しているのかわからなかった。ロストフのワグネル部隊は、街を封鎖していたけれど、それ以外は別に何もしていないようだった。普通にお店に入って、食べ物を買って食べたりしている画像が拡散されていた。何かのデモンストレーションをするわけでもなかった。
そして、その日の夕方になって、とつぜんベラルーシの大統領ルカシェンコが、プリゴジンと交渉がついたと言って出てきたのだ。とにかくロシア国内で流血騒ぎになるのを防ぐべきだということで納得して、ワグネル部隊はドンバスに引き返すことになったと。ワグネルもプリゴジンも、訴追を受けないという条件で、引き返すことに同意したということだった。プーチン大統領は、朝のスピーチのあとで、いろいろな人と電話会談していたという情報が出ていたけれど、そこでルカシェンコがプーチンに代わって、プリゴジンと交渉することになったというのだ。それも、ルカシェンコはプリゴジンの20年来のつきあいだからということだった。
それで、ロシアの人たちはホッとして、やはりプーチン政権の統率力はすばらしいと感じたようだった。一方、ウクライナや西側諸国のメディアは、とたんにまたプリゴジンを悪党扱いし始めた。さっきまでは正義の味方みたいに言っていたのに、やっぱりプリゴジンはお金に取り憑かれた悪党だということなった。
ところでそれから、プリゴジンはドンバスに戻るのではなく、ベラルーシに行くことになったという情報が出てきた。ロストフからモスクワへ向かう高速道路上にいたワグネル部隊は、ドンバスに戻るということだったけれど、翌日もまだそこにいたらしい。それから、ワグネル部隊は、ロシア軍に入るか、民間人になるか、あるいはベラルーシに行くかのどれかをそれぞれ選ぶということになった。それで結局、モスクワに向かっていたワグネル部隊は、全員ベラルーシに行ったらしいのだ。
この反乱騒ぎが、実はすべて示し合わせて行われたショーではないのかという説も、ずいぶん出ていた。それというのも、プリゴジンがモスクワに向かって出発した23日の夜から、ウクライナでのロシア軍の攻撃が激しくなっていたようなのだ。キエフなど都市部の軍事拠点が爆撃されたりしていた。ワグネルがドンバスを離れたというので、バフムトが手薄になっていると見て、ウクライナ軍がバフムトを攻撃しようとしていた。しかし、どこにも手薄な箇所はなく、ウクライナ軍はさんざんに叩かれることになったそうだ。そのことからして、これが実は敵を油断させて、バフムトを取り返すチャンスだと思わせ、おびき寄せる策だったというのは、かなりあり得るような気がする。
それだけではなく、この反乱騒ぎは、実はワグネル部隊をベラルーシに配置する戦略を、カモフラージュするためのものだったんじゃないかという話もある。実際、起こったことは、ワグネル部隊がプリゴジンとともにドンバスからベラルーシに移動したということなのだ。そして、その移動の最中に、ロシアが反乱騒ぎで弱くなったと世界中が思い込み、ロシアはプーチン政権に対する信頼が高まった。
ベラルーシといったら、ロシアはNATOの核攻撃に備えて、戦略核兵器をベラルーシに配備したことを発表したところだった。ベラルーシはポーランドと国境を接していて、NATO諸国に近い。西側諸国は、ロシアが核兵器で脅していると最初から言い続けていたけれど、NATOが東に向かって拡大し続けた結果、ロシアはまわり中から核ミサイルを向けられているような状態になっていたのだ。バフムトが陥落して、ウクライナ軍ももうボロ負けの状態で、核兵器でも何でも使いそうな様子になっている。ウクライナのザポリージャ原発も、ロシアの軍事介入が始まったときから、ずっとロシアが管理しているけれど、ウクライナ軍はザポリージャ原発を攻撃し続けているのだ。それを、ロシア軍が攻撃していると言っている。ザポリージャ原発が爆発したら、核兵器以上にウクライナの国土が汚染されることになるけれど、この戦争をウクライナにやらせているのは、アメリカの裏政府であって、ウクライナではないのだ。ウクライナ政府は、アメリカの裏政府の工作員にすぎないから、ウクライナなどどうなってもいいのだろう。
それで今、ベラルーシにロシアが核兵器を配備したところで、ワグネル部隊がベラルーシに行くことになったのだ。すると、とたんにNATOはポーランドの国境に何千人だかの軍を配備するということになった。メディアがプーチン政権は弱くなったと騒いでいる一方で、軍隊はごく現実的に状況を見ている。ベラルーシにワグネル部隊が来るとなると、ポーランドからの武器の搬送が危なくなるし、ウクライナ西部の軍事拠点が攻撃される可能性が高くなる。
私は、プリゴジンが24日にロストフから動画メッセージを送っていたのを見たときから、これは示し合わせた演技じゃないかと思っていた。それというのも、プリゴジンの話す様子が、反乱を起こしに来た人のような感じではなかったからだ。この三年半くらいで、やらせ画像をあまりにもたくさん見てきたので、演技なのか本気なのかが、見ただけで何となくわかるようになっていた。人のリーディングとかチャネリングとかができる人なら、人が口で言っている言葉とその人の心とが一致していないときには、それとわかると思う。そうでなくても、やらせでやっている人は、口調や態度が少し大げさだったり、どこかしら不自然だったりする。
プリゴジンが話す様子は、まるで休暇に来ているのかと思うくらい、何だか緩んでいた。戦場から離反して、反乱を起こしに来た人の顔のようにはとても思えなかった。怒ったような口調でものを言っていたけれど、その目は愛に満ちているようにしか見えなかった。
そして、24日の朝にスピーチしたプーチン大統領も、プリゴジンに対して怒ったような表情をして、厳しく非難していたけれど、いつものプーチンならば、こんな風に怒りを表しはしないし、何だか不自然な感じがした。これがもし本当の反乱なのだとしたら、彼は内心ひどく失望しているはずだ。失望しながらも、事態を何とか治めようとするときの彼は、実に肚の据わった表情になる。しかし、プリゴジンのことでスピーチするプーチンは、そういう肚のある表情ではなかった。プリゴジンを一方的に批判するようなものの言い方もプーチンらしくないし、怒りを態度に表すのも、プーチンらしくない。
それならば、これはプーチンとプリゴジンとルカシェンコが示し合わせて行った大芝居だったのだろうか? ロシアが内乱で弱みを見せたと思わせつつ、世間がどうなることかと情報に気を取られているうちに、ちゃっかりとベラルーシにワグネル部隊を移動させて、キエフ政権の喉元に剣を突きつけてしまったのだ。
ウクライナのことでは、ロシアはNATOに騙され続けてきた。2014年にも、ウクライナ軍をドンバスから撤退させるという約束で、ドンバスから軍を引き揚げたのに、その約束は一度も果たされなかった。のちに、それは単にロシア軍を撤退させるための嘘で、そもそも約束を守るつもりなどなかったことがわかった。そして、2022年3月にトルコでの停戦交渉が成立して、それに従ってロシア軍がキエフ近郊から撤退したら、あとからやってきたウクライナ軍が市民虐殺を演出して、ロシア軍がやったと言い、停戦交渉を一方的に破棄してしまった。そもそも東西ドイツが統合するときに、NATOを東に拡大させないという約束で、ロシアは東ブロックからすべての軍を引き揚げたのに、その約束は守られず、NATOは東に拡大し続けた。ロシアはお人好しそのものといった風で、NATO側はそれを利用し続けてきたのだ。
しかし、ロシアはこのところ返し技をかけてくるようになった。情報戦でも、西側諸国の腐敗ぶりをどんどん暴露するようになった。ロシアも騙されているばかりではなく、西側が得意なやらせ情報の技も使うようになったのかもしれない。だとしたら、これは実に鮮やかな返し技だ。西側のやらせは、裏でお金が動いているのが透けて見えるようだけれど、ロシアのやらせには、そういう汚らしさがまったくない。誰もお金などでは動いておらず、国を守るための大芝居を皆で演じていたわけだ。プーチンの顔もプリゴジンの顔も、怒ったような表層の奥には、深い愛と信頼があるようにしか思えなかった。
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ロストフから動画メッセージを送るプリゴジン

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