2023年9月17日日曜日

G7の凋落 アメリカは「あれダメ、これダメ」とあれこれ難癖をつけるようになった

確かにこれは言える。
 
アメリカが日本に、そして世界に言っていることは何か。難癖をつけてものを作らせないこと。
 
 たとえば、アメリカ以外コンピューターのOSは作ってはいけない、ということもあるように思う。あと、スマホはAndroidとアップル以外は許さないようだ。
 
 アメリカは日本やドイツに自動車で負けてから、すごく警戒するようになった。
 たとえば、日本製のトロンというコンピューターOS。これを潰した。
 医療機械も日本は作ってはだめ、という取り決めをしたりしている。心臓ペースメーカ、日本製のものはないはずです。
 
 先日、ホンダがジェット機から撤退することを表明しました。これもアメリカの差金です。
 
 このように公正な競争を自分が負けるのが嫌で、あれダメ、これダメ、と限りなく言い出した。そのここでいう一部の暴力組織にアメリカのメーカー(アメリカのメーカーが多いのだが)が、うまく言えば、日本ごとき、ヨーロッパごときには、一発言えば引っ込んでしまう。そのような時代が30年ほど続いたのではないか。
 
 その結果、いわゆる世界をリードしてきた、西側、というか、G7の産業力、技術力は立ち遅れてしまったのだ。
 
 その結果は今やどこにでも見ることができる。
 ウクライナ戦争がそうだ。西側の兵器、どうであろうか。ロシアの兵器を圧倒しているであろうか。ドイツのレオパルド戦車は地雷に当たって動けなくなり、アメリカのパトリオットミサイルは鳴かず飛ばず、当たらず、落ちず、である。
 
 それより、ワクチンを見ろ。コロナワクチン。
 あれが出た時、同時に、中国、ロシア、インドでもワクチンを作った。俺はワクチン反対派であるか、最初からワクチンに反対はしていなかった。打つ気はなかったのは覚えているが。
 
 でも、ワクチンに関して言えば、中国、ロシア、インドのワクチンなど効くはずもないと思った。逆に言えば、ファイザーやModernaのワクチンはそれなりに有効だろう、と思っていたのだ。
 だが、どうだ。中国、ロシア、インドのワクチンはどのようなものか小生はわからない。効くかどうかもわからない。
 しかし、はっきりしたのは、ファイザーやModernaのワクチンは、まったく効かない、どころか、ただの毒であったわけだ。ここにも西側の技術力の低下がはっきりみて取れるではないか。
 
 あの程度のもので良ければ、おれならば。1分でワクチンを作ることができるさ。特例承認してもらいたいな。あいつらのものより優れているぞ。俺の作ったものは副反応がないからね。
 

参考:パラダイムの終わり ファイザー、モデルナのものは良くて、中国のものはダメだったか

https://www.thelocalreport.in/g77-summit-in-cuba-calls-for-new-global-order/?fbclid=IwAR1jG-sLKzUThbxx9N0TcydqhiAWwe6og39SVTiwlIEXuCfrcVbDW5AKJls

 上の記事に対して、フェイスブックで Chihiro Satoという人が長く力の入ったコメントをされていたので反応した

【ヘゲモニーの終焉】

一年くらい前に、ドイツ人ジャーナリストのトーマス・レーパーが、今の世界の状況は、少数の暴力グループに支配されている学校のようなものだということを言っていた。ごく少数のグループではあるのだけれど、暴力をふるわれたり恐喝されたりするので、他の大多数の生徒たちは、黙って従っているしかない状態だ。だけど、誰か一人でも、暴力グループに対抗できる人物が現れると、それまで黙って見ていた人たちも、一人二人と一緒に暴力グループに抵抗するようになる。そうやって少しずつ抵抗する人たちが増えていくと、あるとき、暴力グループの方が孤立しているような状態になって、もう手出しができなくなる。そうした変化が起こり始めているのだと。

昨年2月にウクライナの内戦にロシアが軍事介入を始めてから、その変化が起こり始めていたのだ。ロシアは経済制裁をかけられて、ヨーロッパにエネルギーや食糧が輸出できなくなり、インドや中国、アラブやアフリカに輸出するために、ルーブルや中国元での取引をしようとしていた。そこで、サウジアラビアが初めて米ドルではなく、中国元での石油取引を行ったのだ。これはまさに、世界の暴力グループにたった一人で抵抗しているロシアに、味方する国が現れた瞬間といった風だった。それまでは、石油取引は米ドルが独占してきた。それ以外の通貨で取引するなんていうことをしたら、アメリカにどんな目に遭わされるかわからない。大統領を暗殺されるか、首都を空爆されるか、人工地震を起こされるか、あるいは原発事故を起こされないともかぎらない。ところが、サウジアラビアはそのどれにも遭わなかったのだ。この事実を世界中が見たことこそが、決定的な変化だった。それから世界中の国々は、少しずつロシアへの支持を表明するようになり、西側諸国に反発するようになっていった。

それは、集団的な人間関係の中で機能している、免疫システムのようなものなのだと思う。生命体や生態系と同様に、社会関係も、つねにバランスを保っていくような力が働いていて、バランスが欠けている状態ができると、自然とバランスを取り戻していくようになっているのだと思う。ある病原菌が繁殖して、身体組織を支配しているとき、その病原菌を喰う抗体ができる。それが徐々に殖えていって、病原菌に支配されていた組織が解放されていく。そのうち身体の細胞にも抵抗力ができて、病原菌に支配されないようになる。それと同じことが、社会関係でも起こるし、国際関係でもやはり起こるのだと思う。

9月9日から10日にニューデリーで開催されたG20では、もはや西側諸国は一方的な見解を世界中に押しつけることができなくなっていることが、はっきりと示されてしまった。半年前に行われた前回のG20では、まだ西側諸国は共同声明にウクライナの戦争についてロシアを非難し、ウクライナ支援を呼びかける文を入れさせることができていた。そのときももう、西側諸国の代表は、空港でもろくな歓迎を受けておらず、最初から煙たがられていたけれど、それでもロシア代表のラブロフ外相に面と向かって、ウクライナの侵攻をやめなさい、と批判したりしていた。G20は経済協力についてのフォーラムで、世界の食糧供給の安定について話していたところだったのに、まったく的外れにそんな発言をしたので、ラブロフ外相にいなされて、会場の人々は笑っていた。それでも西側メディアは、その発言を英雄的な行為みたいに大きく報道していて、ラブロフ外相の方が笑いものになっていたみたいに書いていた。事態はそれとは逆で、西側諸国の方が相手にされていなかったのにだ。しかしそれでも、G20諸国は、西側諸国の主張通りに、ロシアを批判する声明を出したのだ。

だけど今回のG20では、参加国の約半数が反対して、西側諸国はロシアを一方的に非難する声明を出すことに失敗した。その代わり、ウクライナの戦争については、国の主権と領土の統合、人権が守られるべきだというニュートラルな表現の声明が出された。

これについては、西側メディアは、ロシアがクリミア半島やドンバスの領土をウクライナに返すべきだという風に解釈していたけれど、G20の参加国の半数は、そうとは考えていなかった。むしろ、ウクライナ政府がドンバスに対する人権侵害な攻撃をやめるべきであり、住民投票で住民自身が決めた通りに、ロシアに併合されるべきだと考えていたのだ。そして何よりも、G20は西側諸国の地政学的な見解を議論する場ではなく、経済協力について議論する場なのだと。そしてこのことが、共同声明にもはっきりと書かれていた。

前回のG20では、的外れなテーマであるにしても、西側諸国が政治的なことで中国やロシアを批判して、それを西側メディアが大きく報道していたのだ。ところが、今回のG20では、それさえもなかった。中国についても、いつもならウイグル弾圧だとか台湾への挑発だとかを非難するのに、アメリカ大統領は、習近平について、ただ彼もニューデリーに来てくれればよかったのに、と言っただけだったそうだ。

G20は、経済フォーラムであるにもかかわらず、これまでは西側が一方的な見解を表明するような場になっていて、世界中の国々は何を言われるかと戦々恐々としていたわけなのだ。それが3月のG20では、もう煙たがられるような雰囲気になっていて、今回のG20では、もう西側諸国も何も言えないような状況だった。もはやG20は、西側諸国がどこの国を仲間外れにするべきかを指示して、他の国々を思い通りに従わせるような場ではなくなったのだ。

ところで、ニューデリーでG20が行われたその数日後、キューバのハバナでG77が開かれていた。G77は国連の組織で、いわゆる発展途上国と中国だけのグループなのだけれど、参加国は134カ国、世界人口の80%以上を占めるという。ところで、このG77では、何と一方的な経済制裁は直ちにやめるべきだという決議がなされていたのだ。西側メディアでは、技術発展の格差を是正するべきだという決議がなされたというようなことしか報道していなかったようだけれど、実際の決議はそんな当たり障りのないことではなかった。

国際金融システムが発展途上国に不利なようにできているということが議題になり、均等な機会を与えるような形に改革するべきだということが決議されていたのだ。そして、一方的な経済制裁は、発展途上国の経済を破壊し、人権を侵害しさえするものだから、即刻停止するべきだということが、盛り込まれていた。

金融システムの不公平と一方的な経済制裁こそは、まさに西側諸国が世界中の国々をいいように支配するための武器だったのだ。昨年の国連総会でも、3月のG20でも、多くの国々が西側諸国が言うままに、ロシアを非難する決議に賛成したけれど、それは、アメリカに逆らって、経済制裁をかけられたら大変だという思いがあったからだ。特に、食糧やエネルギーの供給を外国からの輸入に頼っている国では、経済封鎖されたら、とたんに国民が飢えることになる。アメリカの言うなりにならなかったら、どんなことを非難されて、どんな制裁を加えられるかわからない。そうやってこれまでは、G7が決めたことに世界中が従うようにされてきたわけだった。これがまさに、少数の暴力グループに支配されている学校と同じ状況だったわけだ。

そうやって、イランもシリアもリビアも北朝鮮もキューバも、アメリカのグローバリストに従わない国は、一方的に独裁国家だと言われて、経済制裁をかけられ、そのために大きな社会問題を抱えることにことになっていた。経済が貧困になれば、治安も悪くなり、社会は不安定になる。その上、テロ組織や工作員を送り込まれて、紛争が起こされたりもする。そしてそれを、西側メディアは独裁政権に国民が抵抗していると報道していたのだ。

9月のG20のあとで、ロシアのラブロフ外相は、これは国際関係の転換点だと言っていた。これからG20内部にも変革が起こっていくし、IMFとWTOをフェアなシステムにする必要がある、と。BRICSは、IMFやWTOに代わる国際取引のシステムを作ろうとしているけれど、しかしロシアの本当の目的は、IMFを捨てて新しいものに乗り換えることではなくて、既存の国際機関を本当にあるべき姿に戻すことらしい。

そして、先日のG77では、発展途上国に不利にならない、公正な国際金融システムを作るべきだという決議がなされたのだ。これは、これまで西側諸国が不公平なシステムを世界に押しつけて、世界を支配してきたのが、もう通らなくなってきているということを示している。国連だって、西側グローバリストが思うように動かせるようなシステムになっているのは、参加国が同等な権利を持っていないからなのだ。世界保健機関のような国連機関にいたっては、参加国が発言したり、決議したりするような民主的なシステムさえもない。西側グローバリストが資金を出して据えた人々が、一方的に決めて、一方的に参加国を従わせているだけなのだ。

金融システムにかぎらず、国際機関のすべては、民主的なシステムに改革する必要がある。それこそは、これまで西側グローバリストの覇権主義を許してきた土壌なのだ。どうやらその改革が、これから一つ一つ起こっていく段階に来ているらしい。G77で、すでに世界の人工の80%に当たる国々が、公正な金融システムに変えるべきだと言っているのだ。世界を牛耳ってきた暴力グループも、今や世界の少数派になって孤立している状態なのが、はっきりとしてしまったようだ。

 

 

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