2024年6月18日火曜日

C 医療DX 3) 「バックアップ」「BCP策定」、年度内に実施を 医療機関のサイバー対策(5/22)

 



大阪高度救急救命センター、町立半沢病院(四国 剣町)で、相次いで電子カルテがハッキングされ、ぶち壊された。
 その時に、電子カルテを随時バックアップを取り、それをネットから外しておく、という対策が言われた。
 電子カルテをお使いの皆様はこのバックアップをおやりになっているだろうか。

 電子カルテのバックアップは難しいと聞いている。
 まずハードディスクが高いのだ。
 今、2万円で5テラくらいのものが買えるが、これが電子カルテ業者から買うと20倍から50倍の値段になるのは、皆様ご存知の通り。

 と、会議の時に申し上げると、とある委員から、自分は、2-3万円で増設していると。
 業者の言いなりならないように、との力つよいご発言を得た。
 今後は、ハードディスクの増設などで、業者から強気の価格を言われた場合、医師会などに相談してみるのも一つの手であろう。

 私論を言えば・・・・
 電子カルテを使って診療した場合、一人終わるごとに該当分 2 - 3 枚 スクリーンショットをして保存したら良いのではないか、と思う。
 ご面倒だろうか。
 データの保存はある程度手間のかかるもの。
 病院をあげてシステムを作れば、そんなに辛い仕事にはならないように思うぞ。

 これをやっておけば、ハッカーにぶち壊されても、すぐに診療はできる。
 普通ハッカーにぶち壊されたら、2ヶ月は復旧までにかかり、縮小診療を余儀なくされる。
 カルテがないとどこの誰か、全くわからないなり、「どちらさまでしょうか」から始まる頼りのない診療になる。

 公的病院ならこれでも良いわけであるが、個人病院、診療所は、電子カルテの復旧にも莫大なお金がかかるし、診療自体も「どちら様でしょうか?」では、患者さんが逃げて行く。
 また、このようにして手元に診療データを保存しておけば、電カル業者と折り合いが悪くなって電カルを変えるにしても、カルテ情報は手元にあるので、向こうから無礼なことを言われても、強気に当たることができるだろう。
 備えあれば、憂いなし、なのである。

 これから、クラウド型電子カルテが増えるという。
 クラウド型であると、ハッキングされるリスクが少ないのだ、と。
 それは言える。

 しかし何度も言っているように、クラウド型の致命的欠点は、クラウド型電子カルテを管理する業者は我々のカルテを見放題である、ということ。
 日本の業者だから安全だ、日本国内にハードディスクがあるから安全だ、という人がいるが、安全はさっぱり担保されていないように思う。
 患者様は我々を信頼して、自分の病気のことを包み隠さず話してくれるのだ。
 このことを重々考えておかないといけない。
 
 また、クラウド型でも業者と折り合いが悪くなったらどうするのだ。何が起こるのだ。
 「明日から、電子カルテにアクセスできなくするぞ」と言われてら、我々は「詰み」であろう。
 先のカルテのスクリーンショットのお話である。
 いや、賢明な皆様ならもっと良い方法を編み出すことでしょうが。
 まさに 備えあれば、憂いなし、なのである。

令和6年6月 医政委員会 目次

https://tenfourthavenue.blogspot.com/2024/06/66.html


A 診療報酬改定 1) 柔整・あはき、改定率0.26% 24年度、厚労省専門委(5/8)

A 診療報酬改定 5) 急性期1維持へ、在院日数の短縮がカギに 板橋中央のIMSグループ(6/5)

A 診療報酬改定 7) 薬価の中間年改定、廃止も視野に「見直しを」 自民議連、財務相に要望(6/6)

B 制度 1) 医師国家試験の受験資格認定、「伝統医学」は除外 中医学も、厚労省(5/8)


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